kantyukyo よこたよしか個展「分陰」
- mail9954
- 2022年11月14日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年2月25日

kantyukyo よこたよしか 個展 「分陰」
2022年12月3日(土) - 18日(日)
12:00-18:00 水曜休
在廊 3,4,9,10日
広島にkantyukyoという場所がある。
ヘンリー蔦に覆われた土壁の建物は、中に入ると蝋燭の光がひとつ。
仄暗い空間の中あっという間に時が流れ、眠っていた感覚が呼び覚まされる。
彼女はそこで20年前から1日1組に食を振る舞ってきた (現在は休止中)。
予約が入ると、日本に残る数少ないブナ原生林の山頂まで水を汲みに行き、
畑に赴いては食の世界では見向きもされないであろう植物の現象に目を留める。
そこから生まれる料理は、まるで自然界の理から零れ落ちる美しい雫のようで、
そのささやかで丁寧な仕事に私はいつも言葉を失う。
水場であるその山に何度か連れて行ってもらったことがある。
夏の間に山を覆った葉々は枯れ落ち、その土に濾過された雨は豊穣な地下水と
なって再び地上に湧き出でる。何万年も前から続く循環の土地は、人の気配のない
植物や動物達の世界であり、晴れ渡った静寂の奥に目に見えない地中や空気中の
様々な蠢きが感じられる不思議な場所だった。
彼女は常々「虫が師匠」であると言う。
土器のような蜂の巣、地上絵のようなミミズの這跡、多彩な蜘蛛の巣の形、、、
虫達による美しい所作は、彼女の手掛ける全てのものにどこかで繋がっている。
私にはそれが至高の芸術のようにも思え、料理家ではなく「理の人」として
何かを展示をして欲しいという願いからこの機会が実現することになった。
分陰とは「わずか一分の光陰」という意があるそうだ。
それは、自然界がある瞬間にだけ見せる儚い夢のような現象であり、
彼女はそれを見たこともない繊細なセンサーで掬い取り、言葉や形にする。
今回生まれたものは、植物と虫と彼女の共作のような儚い物象であり、
10年以上も形にしたかったものであったと言う。
よこたよしかさん初めての個展をご覧いただけますと幸いです。
【理の会 - ephemera】予約制
“理”をめぐるお話会を開催します。
「ものみな色が落ちる 果てる月 揺らぐ灯火を前に言葉を紡ぎます」
12月9日(金)、10日(土) 18時から
お一人様 10,000円 (茶菓2品・展示作品を含みます)
ご予約方法:instagram DMまたはe-mailにてお名前、ご連絡先、ご希望日を
お伝えください。キャンセルは不可となりますのでご了承くださいませ。
kankakari
京都市北区紫野下築山町15
070-1871-1010
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